呪歌学

体内の魔力を練り上げる方法は基礎クラスで学んできている前提でいくわよお……、あら、あら?最近は魔力じゃなくて魔素って呼ぶんだったかしら?」
「まーあ、もうー、やだわあー、世間の流行りってすーぐ変わっちゃうんだからあ」

授業は実技と理論、呪歌史のみっつに分かれる。
理論では作詞作曲を、実技は歌唱と演奏を、呪歌史では歴史の表裏両方の舞台において呪歌が如何なる役割を担ってきたかを学ぶ。
作詞においては魔法言語学の知識も要するため、本格的に学ぶことを望む者は魔法言語学のクラスを合わせて取るのがセオリー。

呪歌史の試験はペーパーテスト、実技の試験はレベルに合わせた課題曲の歌唱と演奏。
理論の試験は2段階に分かれ、第1段階では知識を問うペーパーテスト。合格すれば呪歌の自作が許され、作品の品評が試験となる。
卒業試験は学内の教師・生徒を招いたコンサート。聴衆への影響度合が成績となる。

合わせて学ぶことを推奨されるものは『他者の呪歌に心を動かされすぎないため』の護心術、『拡声のために必要不可欠』な精霊魔法:風、『呪歌の関与する部分が大きい』伝承学など様々。
エラトーニアに言わせれば「歌は豊かな心と深い感性で歌うもの。学んで無駄なことなんてないと思うわあ」とのこと。

優れた呪歌の使い手は様々な儀式や式典で重宝されるため、帝王学/王佐のクラスの生徒と在学中に縁を結ぶことも多い。
また、歌唱中は非常に無防備になってしまううえ物理的に歌えなくされればお手上げのため、身を守ってくれる術を持つ者や歌いながらでも恩恵を受けられる調香術にもよく世話になる。

生まれ持った声の大きさ、リズム感、音感など、資質や才能によるところも大きい魔法であるが、エラトーニアは歌を愛する者であればあらゆる生徒に門扉を開く。
もちろん歌や演奏の才覚に優れた生徒と彼らの歌はお気に入りだけれど、そうでなくとも積極的に呪歌を学ぼうとする者への尽力は惜しまない。

エラトーニアのクラスの卒業者の中には、呪歌の歌い手のみならず、演奏に特化した者・作詞作曲に特化した者・研究や分析の専門家など様々なかたちで呪歌に携わる者がいるらしい。

授業は校舎外、離れの形でつくられた音楽室で行われる。特別な防音の魔法を施してもらっており音漏れ対策は万全。